7日深夜0時12分からテレビ東京で放送された『山田孝之の元気を送るテレビ』がすごかった。
もともと放送を予定していた『山田孝之の演技入門』という特番を急遽変更し放送されたもので、元番組にゲストとして呼ばれていた紀里谷監督や小池栄子、松岡茉優、假屋崎省吾らが山田孝之の起こす奇跡を見守る、というものなのですが。
またテレ東と山田孝之による「どんな気持ちで見たらいいのか分からねえよ」って番組が始まったと思いつつ観始めたところ、想像以上にどんな気持ちで見たらいいのか分からない傑作だったのです。
司会はフリースタイルダンジョンでお馴染みのいとうせいこうとテレ東の水原アナ。
水原アナ「私も入社してかなり時間は経つんですが初めてですね、こういう生放送は」
そんなアナウンサーも戸惑うような緊張感が漂うスタジオ内。
その司会やゲストと少し離れた場所には、完全に日本中に元気を送る体制に入っている山田孝之の姿が。
その体から発せられる未知のパワーを受け取ったのか、 生放送開始から間も無く番組に視聴者からツイッターやメールで感謝の言葉がとめどなく送られてきます。
水原アナがメールを読み上げる間も一人静かに集中し続ける山田孝之。
怖い。何が起こっているのか分からない。
ただただ怖い。
何よりこの番組、何がすごいっていたって真剣な人しか出てこないのである。
途中挟まれるVTRでは山田孝之の摩訶不思議なパワーを解き明かしたり神秘の島を訪れ更なるパワーを得る姿が流れるのだけれど、一見NHKのドキュメンタリーのような重厚さを感じさせる真剣さなのだ。
例えば、淡々と流れる山田孝之のチャクラを調べる検証VTR。
ワイプさえ皆、真剣なのです。
更に、新たに明らかになる真実も。
姓名判断により解き明かされる。
山田孝之は「愛の星から来た大変態の宇宙人気質」だったのだ。
そしてそしてこの番組の最大の見所は、
何と言っても(突如始まる)山田孝之による元気を送るライブである。
スタジオに用意された異様な空間に一人座る山田孝之。
エビの頭を被ったバンドと動物の頭を被ったダンサーたち。
怪しげな音楽に合わせて激しく踊り出す舞台。
画面の中で繰り広げられる激しいパワープレイに圧倒される私。
さらにはライブを席で見守っていたはずの紀里谷監督はフレームインし(何故か)設置してあったカメラを手に取り山田孝之を撮り始め、小池栄子と松岡茉優も一緒に踊り狂い始める。
いとうせいこう「どうしても撮りたい画がある!」
その間もひたすらに視聴者のメールを読み続けるいとうせいこう。
一人黙々と花を生け続ける假屋崎省吾。
この時間が割と長いこと続く。
まずい。
もしかしてこれ、置いていかれている私がおかしいんじゃないのか?
そしてそのまま衝撃のエンドロール突入。
ここまで一言も発していない山田孝之。
最後まで視聴者メールを読み続けるいとうせいこう。
いとう「栃木県 会社員 母が起きてきて爪を切り出し始めました」
いとう「愛知県 無職 明日から就職活動をする気になりました」
リアルに「おいおい嘘だろ…」とどよめいてしまいました。
どうしようどうしよう。
最後まで何を観ているのかわからない…!!
そして番組が終わりふと時計を見上げて驚く。
この番組、90分枠だったのかよ。
なんで90分も取ったんだよ。
絶対おかしいよテレ東。
しかし。
とめどない視聴者メールやツイッターから分かるように、放送中に山田孝之が送り続けた「元気」が日本中の人々に届いているのは明らかなのである。
もしかしたら…
私は奇跡を目の当たりにしたのかもしれない。
そう思うと不思議なことに、私は自分の中に小さな「元気」が生まれてくるのを感じたのでした。
ありがとう山田孝之。
ありがとうテレ東。
なんだか身体中から毛が生えて来た気もするよ。
ほとんどネタバレしてしまいましたが、ひかりTVで観られるそうです。
見逃した方にはぜひ観てもらいたい番組なのでした。