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【ネタバレ】『ハリーポッターと呪いの子』感想(長文) 続編であることを最大限生かした続編!

読みました。

途中何度か涙を流し、読後はしばらく呆然として何も手につかなかったです。

そうして気が付いたら5日も経っていた。

これがジェーケーローリングか…最高かよ。JKローリングに500万点!

ネタバレしないのが難しいくらいのサプライズに富んだファンサービスな内容で、これが公式として、そう公式としてこの世に生みだされたという事実に驚くと共にただただ尊い。

もう一度言います。

 

これは公式だ!!!!

 

舞台脚本という点も少し懸念していたのですが、逆に台詞がすらすらと入ってきて映画を見ているような感覚でサクサク読めました。

翻訳も今までと同じ松岡佑子さん。原作との相違に色々と意見はあったりしますが、もうこの翻訳スタイルで何十回も読み返しているのでただただ懐かしい気持ちでいっぱいになれました。

すぐに帰ってこられました。魔法界! 

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以下ネタバレ感想です。

この興奮を共有しませう…!

 

*ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マーリンの猿股並みにサプライズの連続な展開

今作はとにかく序盤から驚きが多すぎました。おったまげーです。

・ 7作目エピローグからのスタート

・マルフォイの息子と仲良くなる

・それはヴォルデモートの子供かもしれない

・アルバスがまさかのスリザリン入寮

・セドリックを救いに行く展開

・過去変に次ぐ過去変

 ページを捲りながら懐かしさと驚きとが止まらず、気づいたらぐんぐんと世界に引き寄せられていました。ダイソン並みの吸引力。小説と違った舞台ならではのテンポの良さもあったと思います。

でもそのスピード感も、「過去7作読んでるんやろ」という脚本側と、「あたりまえだろ」という読者(観客)の関係があって成せる技。

 これぞ8作目!という興奮がありました。

 

“続編”の良いとこ取りによる完成度の高さ!

過去シリーズ名場面のフラッシュバック

 ハリーの夢、逆転時計、そして登場人物たちの会話を通し蘇ってくるのが過去シリーズの愛おしいシーンたち。この『呪いの子』は8作目というシリーズ続編でありながら過去7作の名場面集でもあったのでした。

そりゃ嫌でも感動します。こんなんはずるい。

そもそも冒頭が7作目エピローグだってんですから。こんなんずるい。

誰もが「続きを読ませて…!!」と思った続きを読ませてくれるという『呪いの子』の神対応っぷり

そこから1年生組のコンパートメントを選びや組み分けの様子はかつての1年生達を彷彿とさせます…。

そして第一幕、第8場で一作目のダーズリー家とハグリッドが出てきたときにはサプライズに心が震えましたわん。(ハグリッド大好き)。なるほどこう来たかと。

ありがてえありがてえ。

しかし。

過去のフラッシュバックだけで終わらないのが、終盤ゴドリックの谷でハリーが迎える両親の死。

「逃げろリリー!ここは俺が食いとめる」「この子だけは!私を代わりに!」の台詞と共に、いままでシリーズを通し何度も繰り返されてきたこのシーンですが、今回初めてハリーはそれを目の当たりにするのでした。 

セドリックの死、スネイプの死、他の誰の死も変えることができないことが『今』に繋がることをハリーは人一倍理解して受け入れて生きているはずだけれど、過去に目の当たりにした誰の死よりもつらい瞬間だったのだろうと思うと読んでいるのが苦しかった…。なんか『The Flash』を思い出しました。

 

マクゴナガル先生の「この世界は―何人もの人がー私の親しい友人も、あなた方にの友人もー多大な犠牲を払って築き上げ、維持してきたものなのです」という言葉が刺さる。

 

そのすぐ後の過去ハグリッドにはやっぱり泣きました。

 

もしもシリーズ(公式)

大好きな作品に出会ったとき、大好きなキャラクターに出会ったとき。人は想像するのである。その作品で見られなかった、でもあったかもしれない「もしも」の世界を…。この作品は逆転時計を使いそんな仮想世界を実現してくれるという神がかった企画を実現してくれているんですよね。

これ同人じゃないんだぜ。

しかもそのきっかけが三校対抗試合でのセドリックの死からなるという展開には虚をつかれたというか、ぞくっとしました。そこ来る?!っていう。

んでもってその「もしも」は私の想像をぶっ飛とばしにきたのでした。

 

まず一番目の異世界

ロンがパドマ・パチルと結婚し、ハーマイオ二―がなんかすごくキツい独女教師になっている設定。拒絶反応が出てまった。

特にハーマイオ二ーには彼女のガリ勉頑固な強い女さが完全に裏目に出まくった人生を送っていらっしゃってつらすぎるぞ。ダンスパーティーの相手決め戦線を読みながら、当時「ロンはバカだなー!!なんでもっとスムーズに誘えないかなちくしょー」とヤキモキしていましたが、ロンがダンスにハーマイオ二―を誘っていたら…という「もしも」がこんな形になるなんて驚き桃の木。

14歳のロンよ、君はそのままでいいぞ。

 

そして問題の二番目の世界。

ウォルデモートに支配された世界。セドリックの死を操作する時点でこの世界が作られることは想像していましたが、悲しいなあ。

今作で最高の天使だったスコーピウスがサソリ王とかいう強いんだか弱いんだか分からないネーミングでホグワーツの王様になっているんですよね。つらい。

おまけに”穢れた血”を地下牢で拷問しているってかなりエグい。つらい。

しかしそんな絶望の世界で戦い続ける光戦士たちの姿が素晴らしかった…。

今作を読んで誰もが語りたくなる場面は間違いなくここでのスネイプの再登場でしょう…。正しい人を信じ、素早く強い決断をするスネイプの姿。そしてその行動はどの世界であっても最後までリリーのため繋がるということ。ああ、スネイプ。ああ。

 

スネイプがロンとハーマイオ二―を名前呼びしているのにも驚きました。

ハーマイオ二―「お気の毒です、スネイプ」

スネイプ「いや、少なくとも私は、このロンとは結婚していない。」

翻訳的にどうなってるのか定かじゃないけど、これは笑う。

 

ハリーを失いなお孤独に戦い続けてきた彼らにとって、ハリーが生きている、という事実が、そしてロンとハーマイオ二―には更に自分達が結婚をし子供がいるという事実がどれほどの力になったかと思うとグッとくるものがあります。

ここでは立場は違えどキャラクター性はよく知っているまま。ロンはいつでも暗い空気を助けるなーと嬉しくなりました。

 あとアンブリッジはどこまでいってもしぶといな。

 

更に深まるキャラクター達の魅力

人間味あふれる父親、ドラコ

今回、最も株をあげたのは間違いなくドラコでしょう。

もともと人気があり私も大好きなキャラクター(トム・フェルトンも最高だし)ではあるけれど、あまり深くは掘り下げられずに時に都合よく、時にまじで悲惨に描かれてきたドラコ。

今作ではまじで輝いていました。

言葉の一つひとつが胸に刺さった。

 

マルフォイ家について、私は何度も考えたことがありました。

あの家って、成立してるんか?と。

ドラコは結婚して子供がいるけど、結婚に愛はあったんだろうか?と。

なのでドラコが恋愛結婚であったことに正直驚き、一層魅力を感じました。

ヴォルデモート支配の世界で、元の世界より父ルシウスらしくはあれど妻アストリアのことを語る姿。

物語が完結した後に、一人物の幸せでこんなにも気持ちがほっとするとは思わなかった。救われた感。

そして、今作においてドラコは非常に素直であった。ただ一人の息子が失踪し、頼る者がハリー達であったからなのかもしれないけれど、その素直さに更に驚き。愛は人を変えるのだなと、描かれてないにもかかわらずアストリアの女っぷりをひしひしと感じました。

特に印象的だったのがこの台詞。

 

ドラコ 私は君と彼らの仲がうらやましかった――ウィーズリーとグレンジャーだ。(略)君は――君たち三人は――輝いていたんだ。わかるか?君たちはお互いが好きだったし、楽しんでいた。私は君たちの友情が何よりもうらやましかった。

ジニ― 私も三人がねたましかった。

 

ドラコ 人には選択しなければならないときがあると思うーある時点でーどういう男になりたいかを選ぶのだ。いいか、そういうときに、両親か友人が必要なのだ。(略)私は孤独だった。それが私を、ほんとうに暗いところへと追いやった。長い間。トム・リドルも孤独な子供だった。ハリー、君にはそれが理解できないかもしれない。しかし、私にはわかる――ジニ―にもわかると思う。 (第二幕 第15場)

 

思えばドラコは一作目で(形は乱暴ながら)ハリーと友達になることを求めていたんですよね。しかし撃沈。そこから7年間ボディガードにしかならないクラッブとゴイルや血筋によって言うことを聞くようなやつらしか近寄ってこないまま、年々団結し仲良くいちゃこらしてる3人を見ていなければいけなかった心情は想像を絶する。

更に第四幕 第4場で告白される、クィディッチがしたかった件

そして「私はさしてうまくなかった」の言葉。

もうやめて、読者のライフは0よ。まさかそんなにクィディッチに心惹かれていると思わなかった。いや、心惹かれていたというより。家やとりまき、孤独を忘れて唯一心を救われる瞬間だったのかもしれない。ハリーと同じで。

プライドの塊なドラコがここまではっきりと素直な気持ちを、それもハリーに言った事によって、月日の流れと共にドラコのスコーピウスへの気持ちを感じることが出来ました。

「ジニ―にもわかると思う」

ここがすごく、好き。この追加の一言に、色んなものがつまっている気がします。

あと蛇足ですが「ミネルバ、床を汚して申し訳ない」「ジニ―、君のキッチンをこんなにして、すまない」はくそ愛おしい。

 

7巻完結後には、ローリングさんがマルフォイのストーリーを公開しているので未読の方はぜひ。

J・K・ローリング「ドラコ・マルフォイ」新作 - ポッターマニア

 

 

我らを裏切らない真の英雄、スネイプ

この作品を語る上でマストオブマストで絶対に外せないのが彼の存在。

『死の秘宝』後、セブルス・スネイプという人物にもう会えないという現実をどれだけ悲しんだことか…つい最近リバイバル上映を見て今は亡きアラン・リックマンの姿を目に焼き付けてきたばかりだったこともあり恋しい想いはひとしお…。

しかし、彼は7巻での勇姿に違わず、いやそれ以上に(いっそファンサとも言えるほどの清々しさな)圧倒的味方感で我々の前に再び現れてくれたのである。

違う時間枠とはいえ、ロンやハーマイオ二―を名前で呼んでいる姿は非常にほほえましかった。ねちっこい皮肉を言おうが全てが彼らしく愛おしい。最高かよ。

 

何より特筆すべきはスネイプの最後の言葉です。

 

スネイプ おまえは逃げるのだ。こいつは、私の力の続くかぎり遠ざけておく。

スコーピウス ありがとう。あなたは僕の、闇の中の光だ。

スネイプ アルバスに伝えてくれ――アルバス・セブルスに――私の名前がついていることを、私が誇らしく思うと。さあ、行け、行くんだ!(第三幕 第8場)

 

くそかっこいい。

ファンの思いを裏切らないかっこよさ。

 

そしてこの世界において彼を動かす力になったのは、間違いなく「アルバス・セブルス・ポッター」の存在であると思うのです。

スコーピウスにハリーの子供の名前に自分の名前が付いていることを聞いた時、彼はどんな気持ちだったのだろうかと…。

周りの人達が仲間に恵まれ、結婚し家庭を作っていく中で、スネイプはずっと孤独だったんですよね。唯一の心のよりどころであり何より愛したリリーは自分でない男と結婚し、おまけに彼女の息子の名付け親(後見人)は憎きシリウスだし。

日本ではあまりないことですが、ハリー達がそうであるように、あちらでは親や親しい人の名前を自分の子供につけることも多く、またそれらはとても誇らしく名誉ある事であるように思います。

しかしスネイプにとってそんな世界は遠いもので、自分の身に起こるなんてことはとうに諦めていたはず。結婚する事もなく、子孫を残すことなどなく死んでいくと思っていた人生。

しかし違う未来には愛するリリーの孫に自分の名前がつくこととなるのである。

しかもそれは自分によってもたらされることであるという事実

それは彼にとって、リリーのためにハリーを守り続けてきた自分の人生の証明であり希望の光なんだろうなと。

とんでもない力になるのだろうと。

 

違う時間軸の中とはいえ、その事実をスネイプが知る機会があったことに、ただただ喜びを感じます。

 

ぐう泣ける。

 

 

いつもの三人組とジニ―のそのままの姿

ハリー、ロン、ハーマイオ二―の三人のやりとりにはニヤニヤするポイントがいっぱいありました。

自称が変わったり立場が変わったりするも、基本的にはそのまま!

よく知っている三人がそこにいて、続編の喜びをかみしめる私。

アルバスの「また、みんながじろじろ見てる」に対して「僕のせいさ!僕はとても有名なんだ」というロンがもうほんと大好き。ハリーにコンプレックスを抱いていたのを良く知っている故に輝く台詞。

モンペ気味になって暴走するハリーをいつものように優しく(でもまっすぐ)諭すハーマイオ二―の姿だったり、ダチョウ倶楽部さながら「僕が!いや私が!」と前に出る感じだったり、ロンの「僕のハーマイオ二―!」感だったり。マクゴナガル先生とのやりとりもよかった。たまらないですね。マルフォイやジニ―が思っていたように、読者だってこの三人には憧れを持っていたはず。

あ、でもハーマイオ二―の魔法大臣設定にはめっちゃ驚きました。

欲を言うなら、もっと親をしている三人が見てみたいです。

 

そして。妻として、母としてのジニ―はすばらしかった。

勇敢で大胆でなんなら誰よりかっこいい、そしてそのままのジニーで。

なんでしょうね。学生時代からモテ女子だったのも納得の、包容力と言うか、バシッということ言いながらも、男を立てていくスタイル。一人でも生きていける強さを持ちながら、完璧なる妻であり母をこなす彼女。きっと男兄弟に囲まれてきたことや、それによる孤独を感じてきた事、また魔法省で働く父を支える母親を見て育ってきた事が彼女をそうさせるんだろなと思います。惚れぼれする。

色んなキャラクターの新たな一面を見られた一方で、新たな親世代であるこの4人の変わらなさには読者として救われるものがありました。

 

 

 「よけい者」、セドリック

正直な事を言うと4巻が出た当初、私は(ハリーが受けた心の傷の大きさは理解しながらも)セドリックの死をあまり重くとったことがありませんでした。

ヴォルデモートによって他に多くの愛すべきキャラクターが殺されてきたし、何よりその死があっけなすぎたせいもあると思う。

映画のセドリックが私の思うハンサムから程遠いものであったせいもあるかもしれない。濃くて。

f:id:rsclmya:20161116160119p:plain めんご。

しかしその「あっけなさ」こそがハリーポッターという物語に深い傷を残している事に本当に今更ながら気づかされました。

思えばハリーの両親であったりシリウスであったりダンブルドアであったりフレッドだったりルーピンだったり、物語における「良い人」の死は悲劇的であれ、自らが戦った結果でした。でもセドリックの死は違う。

ハリーの「大きな過ち」であるセドリックの死を、今度は息子のアルバスが受け入れ引き留めない選択をしなければいけないというのはすごい話だなと思いました。語彙がなくてすみません。

最後の試練でデルフィからアルバスとスコーピウスを救ったセドリック。

今作を読んでいった中で登場した彼は、私にとって今までで最高に輝いたセドリック・ディゴリーであったし、彼が魔法界の皆に愛される万能なハンサム王子だと言われ続けていたことをしっかりと実感しました。

 

 

 親に負けない、新たなキャラクター達の魅力

アルバス・セブルス・ポッター

「なぜそんなDQNネームをつけたんだハリーよ」というのが彼への第一印象。

なので彼がその事で悩んでいくことはエピローグ時点で察していましたが、まさか続編のメインとしてこんなに活躍してくれる上、しっかりとその悩みに触れてくれるとは思っていなかったので嬉しい驚きでした。

他の子供2人をよく知ることが出来なかったのであれですが、アルバスは本当にハリーによく似ているんですよね。

スコーピウスに皮肉っぽく返すところもロンやハーマイオニー達と(若干いらつきながら)話す姿を思い出させるし、自分でいっぱいになって人を傷つけてしまうところも。ハリーの悲惨ストーリーを出して父親をディスるシーンはなかなかショッキング。

何より人気者として仲間と学生生活を送った父親というプレッシャーと上手くこなせない自分とのギャップに苦しむ姿。そもそもハリーだってクィディッチという花形競技で才能があっただけで他の授業ではほぼほぼ「普通」かそれ以下だったりしたものです。

ハリーは大人になるにつれて父ジェームズの偉大さだけでなく人間としての欠点を知っていくけれど、世界を救ったハリー・ポッターの息子として、アルバスには機会が与えられにくかったんだろうなあ。

 

そして彼を語る上で外せないのが、彼がスリザリン生であるということ。

読者達は長らく「スリザリンは敵だ」という認識を刷り込まれてきました。

もちのロンで例外があるのは分かっていますが、それでも正義ハリーの息子にスリザリン生が生まれたということは少なからずショックを受けてしまうし、19年経ってなお世界観にはスリザリンは敵だという認識があるんだなと思い知ります。(アルバスだけでなくジェームズやローズからも) 何より自分自身の中にその認識が残っていました。

似ていないと悩んでも実際はよく似ているからこそぶつかるし、誰よりもしっかり父親であるハリーを知りたいから怒りが生まれるんですよね。

ハリーを父親にしていくのは、きっとこの子なんだろうなぁ。

ほとんど空気だったジェームズとリリーのことも知る機会があれば嬉しいなあ。

しかし全体を通して天使スコーピーに持って行かれがちだったので、やっぱり少し残念な子であることに変わりはないのであった。

 

スコーピウス・天使・マルフォイ

かわいい。

過去7作でロンが担っていた重い空気緩和ポジションを見事にこなしてくれました。

自己紹介の様はルーナを彷彿とさせるし、まあかわいい。

しょっぱなから読者を物語に引き込むパワーがすごい。およそマルフォイ家と思えない太陽のような立ち振舞いに、やはりアストリアの存在の偉大さを感じます。ドラコよくやった。

おまけに歴史オタクという設定がすごい。めっちゃ便利。

これにはJ・K・ローリングも「なんだこいつ神かよ」と思ったはず。 

 

しかし天真爛漫なだけでなくアルバスを諭したり励ましたり現実をとらえる冷静さもあるという有能さ。

ホグワーツに憧れ、ハリー・ポッターに憧れるその姿にはマルフォイ家に生まれた孤独や、ドラコや彼にとっての救いである母を亡くした憂いを感じます。

「君の父さんはどこまでいってもハリー・ポッターだ」「君が僕の人生を台無しにするチャンスはないんだ――どうせもともと台無しなんだし」という台詞には何だかかつてのハリーを思い出しました。

しかしここまで良い子にしておいて、物語終盤まで本当にヴォルデモートの子かどうかを明らかにしないつくりにはヤキモキしました。ドラコはありえないと何度も訴えるけど、それが翻ったらどうしようかと。そしてそれをスコーピウス自身も分からないところが悲しくて。のでデルフィが娘と分かった時にはまじで安心しました。

今後、スコーピウスとドラコが幸せに暮らせることを心から願います。

幸せになれ。

 

まさかのヴォルデモートの隠し子、デルフィ 

おえええええええ。です。

ヴォルデモートが悪だからという理由じゃなく、生理的にこいつぁ無理だぜ。

娘だという事実を知ってからもギリギリまでなんとか逃げ道がないかと救いを求めていたんですが、「ベラトリックス・レストレンジとあなたの子供です。「ホグワーツの戦い」の前に、マルフォイの館で生まれました。」の言葉で無事死亡。

まじか、というか、やはり、というか。

肉体関係があったことが最悪。

あのベラの慕い方には肉体的なものがあったのかと思うと…ぐえっ。

おそらく怒りとか焦りとかの感情をハケさせるためにやったんだろうなとか無理やり立ったままなんだろうなとか絶対考えたくないのにシーンが浮かぶんですけど!!!最悪!!!

そもそもあの身体に生殖機能が備わっていた事が最高にすごい。

父の骨としもべの肉とハリーの血を使って出来たものはヴォルデモート(生殖機能アリ)だったのか。ハリーの若さがそうさせたのか(混乱)。ショックだ。何がショックかわからんがショックだ。彼も男だったのか。つら。

もうこの衝撃だけでデルフィ自身に関してはまだ何も考えられないっす。

生きていることは確かなので、続編…ないかなあ…

 

 

呪われた子とは

タイトルである『呪われた子』。

未読の状態で私はアルバスのことだろうと思っていました。しかし終盤デルフィの真実を知り、ああこの子の事だったのかと思ったものの、時間が立ったら段々わからなくなってしまいました。

今までの大枠は「生き残った男の子が大きな悪と立ち向かい、世界を救うという」というものでしたが、今回のテーマとなるのは世界を救った「生き残った男の子は本当に幸せなのか?」という深イイ感じのものでした。ゆえに「生き残った男の子」を背負う人生が終わることはないハリー自身なのかと思ったり。

でもハリーでもあるし、アルバス、デルフィ、スコーピーでもあるかもしれないし。誰、というわけではないのかもしれないし。

でもchildrenではなくchildだし…。

重要な部分を見落としているのかにゃ…。

人と語りたいです。

  

 

舞台・演出はどうなっているんだ 

夢中になって読み終わった後に改めて気づくんですけど、これ舞台なんですよね

……舞台転換はどうなってるの…?!

迫りくる本とか、ハリーとドラコの呪文合戦とか、守護霊とか、あとハグリッドとか、どうなってるの?!死の閃光が客席いっぱいに映るとかどうなってんの?!ヴォルデモートの声が「誰の耳にも届く、ささやき声で」とかどうなってんの?!?!

あああぁ、この目でみたいです。

日本で公演する日は訪れるのでしょうか。ロンドンのみだからこそ素晴らしいんだろうか。もし見られるとしたらもちろん凱旋公演がいいなあ。アルバスがジャニーズでハリーがディーン・フジオカの舞台なんて見たくないぞ。

逆に映画化してほしいという意見もあるけれど、それに関しては私は微妙だなという意見です。

おそらくの総とっかえキャストになるだろうし、キャスト変えの噂が絶えない中メインキャストの変更なしに作り上げてきた7作があるゆえに、どうしたって抵抗感が否めないと思うので。だからこそ、存じ上げないキャストの方で一新した気持ちで見られる舞台が合うのだと思います。

DVD化とかならないかなー!!!

 

 

 まとめ

 長々と書いてしまった割に、まだ頭は整理されないものばかりで、これは何度も読み返さないといけないなと思ってます。

懐かしさ、愛おしさと、新しさに溢れた作品。

この作品が世に存在するということが、その事実がとにかく重要で、世界中の人にとってのハリーポッターの歴史が変わってしまったんじゃないかと思います。

愛蔵版の発売が楽しみです。

ジェーケーローリング様に栄光あれ。

 

 

 

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  • 作者: J.K.ローリング,ジョン・ティファニー,ジャック・ソーン,松岡佑子
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  • 発売日: 2016/11/11
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