初めから全部ネタバレです。
半年前美容院に行った時の事です。
そこの美容院が、一座席に一つ正面にモニターがあって常時映画を流しているような感じで。私が席に着きすぐに前の映画が終わって、違う映画が始まったんですね。そこで流れてきたのが『キック・アス2/ジャスティス・フォーエバー』でした。
一目観て、ああああああああぁぁあかんこれはアカン、やめてくれと思いました。
だって私1観てないんだもん!
シリーズ物を順番に観ないとか許せない派なんだもん!
しかもすごく観たかった『キック・アス』。
『キングスマン』は観れたけどまだ勇気でなかった『キック・アス』。
ああ、観たい、でも観ちゃだめだ、いやでも嫌でも流れてくるし、でも観ちゃだめだ、観たい、観たい、観たい……あああああああ銃構えたクロエちゃんくそかわいい…!!!いやいかんじゃあせめてクロエちゃんの可愛さだけ観ておこう、そのほかはスルーだ。よしよし…よしよし…よしよし……おもしろいよおぉぉぉぉこんなん観ちゃうよぉおお///////とまあそんな葛藤をしながらカラーをしカットをし一度席をはずしシャンプーを終え席に帰ると、キック・アスの優しいお父さんが投獄されていた。んんん???何があったん?????????頭がパ二クってるうちにキック・アスのスマホの液晶に映る見るも無残な姿のお父さん…!!うそだ、うそだ、いやいやこれなんてスパイダーマン?!ひどすぎる、むごすぎる、うそだ、うそだろこんな展開、いやいや流石に死んではな…お葬式してるじゃんかああああぁぁっぁうそだと言ってくれうそだといって
美容師さん「はい、ありがとうございました。お会計はあちらです」
うそだあぁぁああああああああぁぁっぁぁぁぁ!!!!!!!帰りたくないよおおおおおおぉおおおおおおぉおおおおおぉおおっぉぉおぉ!!!!!
美容師さん「足元気をつけてくださいね」
そんな訳で嘘みたいなタイミングで強制退出させられた私は即1を観た後なんだかんだあってこの度ようやくTSUTAYAで借りて最後まで観たのでした。
それで。最後まで観た感想ですが、正直好き度で言ったら100点付けたいくらい心が震えました。何に震えたかというともうクロエたん演じるヒット・ガールの勇姿とジャスティス・フォーエバー面々の勇姿に。
なんていうか私、自警団的なものが好きなんですよね。
スーパーマンやハルクみたいなスーパーパワーを持たないあくまで一般人が悪に立ち向かう姿にすごく胸が震えるのです。だからいかにも弱そうなはぐれ者みたいなジャスティス・フォーエバーって存在だけで勝ちだし、ジャスティス・フォーエバーのあの面々、あの弱そうで必死な面々がマザー・ファッカー軍と戦うシーンは無駄に心境を考えたりしてああああってなりました。立ち向かう恐怖と、でも守りたいものを守るため振り絞った勇気や誇りに溢れてる感じ。「守りたい」「見て見ぬフリはできない」という気持ちこそヒーローのなんたるかな気がして。
女の子達を助け出して「ありがとう」と言われた後のナイト・ビッチの表情とか、マスクを脱いだドクター・グラビティがひったくり犯を追いかける表情とかがすべてだと思うのです。ぐっときた。
正直、正直ね、そりゃ戦いがあんなに楽勝なわけなかろうとかもっと命かけろよとか思いたくもなるけど、そういった嬉しそうな顔だったり小さなヒーロー誕生の瞬間が見れただけで帳消しなので脳内総スルーすることにしました。いいんです。
ヒット・ガールに関してはもはや言うことないです。かわいいから。
彼女が学校に通ってデートに行って戦って人殺してる姿を観れただけでこの映画は100点なんや。かわいいは正義。かわいいこそジャスティス。
危険の伴うヒーローを辞め学園生活を送ることで「悪」ってどこにでも存在するんだと気づくという展開も面白いなと思いました。
しかし関係ないですが学園ガールズ達のマウンティング抗争を観ていて流石にゲロゲリ棒はないにしても『ゴシップ・ガール』の世界観の凄さに改めて驚かされましたわ。
マザーロシアとの一騎討ちもよかった。あの最後の手段の注射器に入ったアドレナリンですが、後で見返してみても「最後の手段」としか言ってないんですよね。
もう脚本の思惑通り最後の手段=自決用だと思い込んでしまう時点でヒット・ガールとは次元が違うんだろうなと思いしりました。死ぬことを恐れないとはそういうことじゃないんだなーと。
あとはマザー・ファッカーのグレードアップしたアホさとマザーロシアとかいうこんなキャラ立ちないよっていう卑怯すぎるいいキャラがよかったです。
気持ち的に100点つけたくてもつけられないのは、キック・アスとトッド(アス・キッカー)のせい。
1に比べて魅力なさすぎ方向性ブレすぎて『キック・アス』ってなんだっけ感が出てしまったのがどうしても引っかかりました。そして裏切り軽口トッドね。お前だけは許さねえ。
でも普段辻褄が合わなかったり流れが気持ち悪かったりすると気になって気になってマシンガンディスをしてしまうのですが、この映画に関しては何故かいくら脚本を叩かれてようが、アクションが弱かろうが、んなもん知ったこっちゃねーや!!!と言いたくなってしまうのです。『キック・アス』1,2共に人生の好きな映画に間違いなく入る作品でした。
強制視聴させてくれた美容院に感謝。